固定資産税が「いつから安くなるか」は、主に2つのタイミングで決まります。
1つは新築住宅の軽減措置が終わる時期、もう1つは建物の経年劣化により評価額が下がる時期です。
特に新築の場合、軽減措置が終わると税額が本来の額に戻るため、負担増と感じることがあります。
この記事では、固定資産税の金額が何年で、どのような理由で変動するのか、その具体的な仕組みと時期について詳しく解説します。
固定資産税の金額が変わる2つの主なタイミング
固定資産税の金額が変更される主なタイミングは、「新築住宅の軽減措置が終わるとき」と「3年ごとに行われる評価替えのとき」の2つです。
新築時に適用される特例が終わると、税額は本来の金額に戻ります。
また、建物の資産価値は年月の経過とともに下がるため、3年に一度の評価額見直しによっても税額は変更されます。
これらのタイミングを理解することが、将来の税負担を予測する上で重要です。
タイミング1:新築住宅の軽減措置の適用期間が終わるとき
新築の住宅を建てると、一定期間、家屋にかかる固定資産税が減額される軽減措置が適用されます。
この措置は期間限定のため、適用期間が終了すると税額は本来の額に戻ります。
多くの人が「固定資産税が高くなった」と感じるのは、この軽減措置が終わるタイミングです。
つまり、税額が「安くなる」のではなく、当初の割引期間が終了し、本来の税額に戻ることで負担が増えるという仕組みです。
この適用期間は建物の種類によって異なるため、自宅がいつまで対象になるのかを把握しておく必要があります。
タイミング2:3年ごとに行われる「評価替え」のとき
固定資産税の算出基準となる固定資産税評価額は、3年に一度見直されます。
これを「評価替え」と呼びます。
建物は経年によって価値が下がるため、評価替えのタイミングで評価額が引き下げられ、結果的に固定資産税額が安くなることがあります。
この評価額の変更が、税負担に直接影響を与えるもう一つの主要な要因です。
ただし、土地の評価額は地価の変動に影響されるため、必ずしも下がるとは限らず、場合によっては上昇することもあります。
【重要】固定資産税は安くなるのではなく「本来の税額に戻る」仕組み
新築住宅を購入後、数年して固定資産税が高くなると感じることがありますが、これは増税されたわけではありません。
実際には、新築時に適用されていた税金の軽減措置が終了し、「本来の税額に戻る」ことによるものです。
この仕組みを理解していないと、急に税金が高くなったと驚くことになります。
ここでは、なぜ税額が変動するのか、その具体的な仕組みについて解説します。
新築住宅の軽減措置で3年間または5年間は税額が2分の1になる
新築の住宅には、家屋(建物)部分の固定資産税額を2分の1に減額する軽減措置が設けられています。
この措置が適用される年数は建物の種類によって異なり、一般的な戸建て住宅では3年間、マンションなどの3階建て以上の耐火・準耐火構造の住宅では5年間です。
減額の対象となるのは、居住部分の床面積120㎡までの部分に限られます。
なお、この軽減措置はあくまで家屋の固定資産税が対象であり、都市計画税や土地の固定資産税には適用されないのが一般的です。
一般的な戸建ては4年目から固定資産税が上がると感じる理由
一般的な木造戸建て住宅の場合、新築から3年間は固定資産税の軽減措置が適用されます。
そのため、4年目を迎えるとこの措置が終了し、納税額が本来の金額に戻ります。
これが、4年目から急に固定資産税が高くなると感じる主な理由です。
ただし、軽減期間が終わると税額が必ずしも2倍になるわけではありません。
3年間の経年劣化によって建物の評価額自体が少し下がっているため、実際の税額は軽減されていた期間の倍額よりは少し低い金額になることが一般的です。
マンションや3階建て以上の準耐火・耐火住宅は6年目から税額が変わる
マンションや3階建て以上の準耐火・耐火構造を持つ住宅は、一般的な戸建てよりも軽減措置が適用される年数が長く、新築から5年間と定められています。
このため、軽減措置が終了する6年目の納税分から、本来の税額に戻ります。
戸建て住宅が4年目から税額が変わるのと同様に、マンションなども6年目以降に税負担が増えたと感じることになります。
所有している建物の構造によって軽減期間の年数が異なる点を覚えておくことが重要です。
長期優良住宅の認定を受けると軽減期間が2年延長される
耐久性や耐震性など、一定の基準を満たした「長期優良住宅」の認定を受けると、新築住宅の軽減措置が受けられる年数が2年間延長されます。
具体的には、一般的な戸建て住宅の場合は通常3年間のところ5年間に、マンションなどの場合は通常5年間のところ7年間に延長されます。
これにより、固定資産税が2分の1に減額される期間が長くなり、長期的なコストを抑えることが可能です。
これから住宅を建てる場合は、長期優良住宅の認定を検討する価値があるでしょう。
築年数の経過で固定資産税はいつから安くなる?
新築時の軽減措置が終わった後、固定資産税が安くなる主な要因は、家の築年数の経過による資産価値の減少です。
建物は時間とともに劣化していくため、その価値(評価額)も下がっていきます。
この評価額は定期的に見直され、税額に反映される仕組みです。
ここでは、家の評価額がどのくらいの年数で、どのタイミングで見直され、いつから税額が安くなっていくのかを解説します。
建物の評価額は3年に一度の「評価替え」で見直される
固定資産税の基準となる建物の評価額は、3年に一度の「評価替え」の年に見直されます。
評価額は、総務大臣が定める「固定資産評価基準」に基づいて各市町村が算定します。
建物の場合、経年劣化による価値の減少が考慮されるため、評価替えのタイミングで評価額が下がり、それに伴って固定資産税も安くなるのが一般的です。
この評価額の変更が、築年数の経過による税負担の軽減に直接つながります。
次回の評価替えは2027年度(令和9年度)に実施される
固定資産税評価額の見直しである評価替えは、3年ごとに実施されます。
直近では2024年度(令和6年度)に行われました。
したがって、次回の評価替えは、その3年後である2027年度(令和9年度)に実施される予定です。
この評価替えの年度に、土地や建物の評価額が最新の状況に合わせて変更され、翌年度からの固定資産税額に反映されます。
自身の所有する資産の税額が次に大きく変更される可能性があるのは、このタイミングとなります。
木造住宅の評価額は築20~25年で最低価格に達する
家の評価額は、築年数の経過とともに下がっていきますが、その下落ペースは建物の構造によって異なります。
一般的な木造住宅の場合、新築時を100%とすると、年々評価額は下がり続け、およそ築20年から25年で評価額の下落がほぼ止まります。
この時期に評価額が最低水準に達するため、それ以降は大きな税額の減少は見込めなくなります。
鉄筋コンクリート造のマンションなどは、木造よりも緩やかに下落していく傾向があります。
建物の評価額は最終的に取得価格の20%で下げ止まる
建物は年月の経過で価値が下がりますが、固定資産税の評価額がゼロになることはありません。
家が物理的に存在する限り、資産価値は残ると判断されるためです。
経年劣化による評価額の減少には下限が設けられており、最終的には再建築費用の20%の価値で下げ止まるように設定されています。
そのため、家の築年数がどんなに古くなっても、固定資産税の支払いが完全になくなることはなく、一定額を納め続けることになります。
土地の評価額は下がりにくく地価によっては上昇する可能性もある
建物とは異なり、土地は経年で劣化することがないため、固定資産税の評価額は下がりにくいという特徴があります。
土地の評価額は、主に地価の動向に連動しており、景気や周辺地域の開発状況などによって変動します。
そのため、地域の人気が高まり地価が上昇すれば、土地の評価額も上がり、固定資産税が高くなる可能性もあります。
建物部分の税額が下がっても、土地部分の税額が上がることで、全体の納税額があまり変わらない、あるいは増えるケースも考えられます。
固定資産税額を安くするために自分で確認できること
固定資産税は自動的に計算されて通知されますが、その金額が必ずしも正しいとは限りません。
納税通知書の内容を自分で確認したり、利用できる制度を調べたりすることで、税負担を軽減できる可能性があります。
ここでは、固定資産税額を安くする方法として、所有者自身がチェックできるポイントや手続きについて解説します。
納税通知書に記載されている課税標準額に誤りがないか確認する
毎年4月から6月頃に送付される納税通知書には、課税対象となる資産の明細が記載されています。
まずは、この課税明細書に記載されている「課税標準額」に誤りがないかを確認することが重要です。
この金額が税額計算の基礎となるため、もし誤りがあれば過大な税金を支払うことになります。
特に、土地の地目や面積、家屋の床面積などに間違いがないかをチェックすることが、税金を安くする方法の第一歩となります。
評価額に納得できない場合は審査の申出を検討する
納税通知書に記載された評価額に疑問や不満がある場合、納税者は不服を申し立てる権利があります。
具体的には、納税通知書を受け取った日の翌日から起算して3ヶ月以内に、市町村に設置されている「固定資産評価審査委員会」に対して審査の申出を行うことができます。
ただし、申出が認められるためには、評価額が誤っていることを示す客観的な証拠が必要です。
評価額を見直すことで、税金を安くする方法の一つとして覚えておくと良いでしょう。
住宅用地の特例が適用されているかチェックする
住宅が建っている土地には、「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が大幅に軽減されます。
具体的には、200㎡以下の小規模住宅用地では課税標準額が6分の1に、200㎡を超える部分については3分の1に減額されます。
この特例が適用されているかどうかは、納税通知書の課税明細で確認できます。
もし適用が漏れていると、税額が本来より著しく高くなるため、必ずチェックすべき重要な項目であり、税金を安くする方法として非常に効果的です。
クレジットカードやスマホ決済を利用してポイント還元を受ける
固定資産税の納付方法を工夫することで、実質的な負担を軽減できます。
近年、多くの自治体でクレジットカード払いやスマートフォン決済アプリでの支払いに対応しています。
これらのキャッシュレス決済を利用すれば、支払額に応じたポイント還元を受けられる場合があります。
税額そのものを安くする方法ではありませんが、獲得したポイント分だけ実質的な負担は軽くなるため、現金で納付するよりもお得です。
お住まいの自治体が対応しているか確認してみましょう。
固定資産税がいつから安くなるかに関するよくある質問
家の固定資産税については、新築時の支払開始時期や、評価に関わる家屋調査、リフォームによる税額への影響など、さまざまな疑問が生じます。
ここでは、固定資産税がいつから安くなるかというテーマに関連して、多くの人が抱く疑問点について、よくある質問形式で分かりやすく回答します。
新築の家を建てた場合、最初の固定資産税はいつから支払うのですか?
新築した家は、建てた翌年から課税対象となります。
納税通知書は毎年4月~5月頃に送付され、最初の支払いは新築した翌年の6月頃から始まります。
納付は年4回(4期)の分割払いが一般的ですが、自治体によっては年2期払いや一括払いも選択可能です。
家屋調査を拒否すると固定資産税の評価額に影響しますか?
家屋調査を拒否した場合、自治体は登記情報や建物の外観などから評価額を推計します。
その結果、内装や設備などが実際よりも高く見積もられ、固定資産税が過大に評価される可能性があります。
家の評価を適正に行ってもらうためにも、調査には協力することが望ましいです。
リフォームや増築を行うと固定資産税は高くなりますか?
はい、建物の資産価値を高めるようなリフォームや増築を行うと、評価額が見直され固定資産税は高くなる可能性があります。
特に、床面積が増加する増築や、間取りの大規模な変更、キッチンや浴室などの設備を大幅にグレードアップする工事は評価額に影響しやすいです。
まとめ
固定資産税がいつから、どの程度安くなるのかという疑問は、マイホームを維持していく上で避けて通れない問題です。
本記事で解説してきた通り、新築住宅の軽減措置には期限があり、戸建てなら4年目、マンションなら6年目から税額が本来の姿に戻ります。
一方で、建物の評価額は3年ごとの評価替えによって経年劣化分が反映され、段階的に下がっていく仕組みです。
ただし、土地に関しては住宅用地の特例などの影響もあり、建物のように単純に築年数だけで安くなるとは限りません。
家づくりにおいて、将来的な税負担を含む資金計画を立てることは非常に重要です。
セイムなら、こうした固定資産税の仕組みや将来の支出見込みまで含め、家づくりを始める上でのお金の悩みをクリアにした状態でお家づくりを開始いただけます。
資金面の不安を解消し、納得感を持って理想の住まいを形にできるようサポートいたします。
なお、今回ご紹介した1/2減額措置は「家屋」の固定資産税が対象であり、都市計画税は原則として軽減の対象外です。
また、減額が適用されるのは「住宅部分の床面積120平方メートル(約36坪)まで」となっており、これを超える面積分は減額されない点に注意が必要です。軽減期間についても、長期優良住宅の認定を受けることで戸建てなら5年、マンションなら7年へと延長される特例があります。
※税率や具体的な減額の取扱いは自治体によって異なる場合があるため、詳細については必ず各自治体の窓口へご確認ください。
[本記事は2026年2月現在の情報です。]